最終更新日:2024年4月5日

1年次入学生:1年 3年次編入学生:3年 短期大学部:-
文学部 文学科

U067

日本文化入門

「日本文化」とは何か?

単位条件

通信 2単位

教員

黒須 利夫

履修条件

なし

到達目標

「文化」とは、人間が自然に対して働きかけた営為のすべてを含むものであり、とても幅の広い概念である。人間の歴史とは、すべて文化史であるとも言える。多文化共生社会を生きる我々は、過去の歴史を振り返りながら、文化の多様性を理解し、価値観・生き方の多様性を認め合わなければならない。
この科目では、「日本文化」の歴史とその多様性を理解することを目標とする。

学習成果

日本の文化を通史的に学ぶことにより、文化の多様性と文化に対する様々な見方・論じ方に触れることができる。
歴史を学ぶための基礎的な技法、特に辞書・事典類、入門書・概説書などの使い方に習熟することができる。
博物館・美術館などを見学して、自分の興味関心を拡げることができるようになる。
身のまわりの文化事象に興味を抱き、「なぜ」と問いかける姿勢を身につけることができる。

テキスト教材

尾藤正英『日本文化の歴史』(岩波新書 新赤版 668)2000

参考図書

家永三郎『日本文化史第2版』(岩波新書 黄版 187)1982
末木文美士『日本宗教史』(岩波新書 新赤版 1003)2006

評価の要点

テキストの内容をきちんと理解しているか。
テキストの内容について、学問的な手続きを踏まえ、批判的に検討することができているか。
自ら学ぼうとする基本的な姿勢が身についているか。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価する。
レポート合格の後、科目終了試験を受けること。
①テキストの内容を理解しているか。
②専門用語等を辞書・事典類で調べているか。
③テキスト以外の文献を参照し、理解しているか。
④自分なりの意見を、論理的に述べているか。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

※参考文献(テキスト以外のもの)を必ず明記すること。
 参考文献の選び方は、非常に重要です。
 学問的に問題がある文献(研究史を踏まえていない、史料批判をしていない等の学問的な手続きに問題があるもの)や、インターネット上の情報(ウィキペディア等。同様の問題あり)を利用すれば、レポートの評価も低くなります。

レポート課題

提出数 2

第1課題

1課題ずつ別々の用紙で2通レポートを提出すること。

いずれか1設題を選択

パソコン印字可
[1600]

第1設題

考古学・人類学の研究成果から、日本人の起源を論じなさい。k【ヨコ書】

第2設題

桓武朝の歴史的意義について、具体的事例をあげて論じなさい。【タテ書】

第3設題

空海と最澄の書について述べよ。【タテ書】

第4設題

「漢風文化と国風文化」について論じなさい。【タテ書】【ヨコ書】

第5設題

テキスト第八章をふまえ、巻末の参考文献を参考にしながら、日本の祖先祭祀について論じなさい。【タテ書】【ヨコ書】

第2課題

1課題ずつ別々の用紙で2通レポートを提出すること。

いずれか1設題を選択

パソコン印字可
[3200]

第1設題

元禄文化について、具体的に作品を挙げながらその特徴を記しなさい。【タテ書】

第2設題

明治政府の推進した「文明開化」(=近代化)政策は、民衆の生活にどのような影響を与えたのか。具体的事例をあげて論述しなさい。【タテ書】【ヨコ書】

第3設題

新しく西洋から入ってきた文化と従来の日本の文化の矛盾に悩んだところから作品を著したと書かれているが、具体的にどういうことだろうか。
ここに出ている作家でもよいし、出ていない作家でも構わないが、具体的な作品を挙げて、この部分にその要素が見られると指摘しなさい。【タテ書】【ヨコ書】

第4設題

第十四章「近代日本における西洋化と伝統文化」中の一章「西洋的近代と伝統との矛盾」に関連して、その論点を永井荷風「曇天」を材料として論述しなさい。【タテ書】

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
はじめに
「日本」と「日本文化」について考える
文化を学ぶことの意義を知る。 はじめに
日本の原始文化
日本人と日本文化の起源
日本人の起源を知る。 第一章
日本神話
古代国家の形成と神話
古代国家の形成過程を知る。 第二章
仏教の伝来
仏教の受容と発展の過程
仏教受容の特質を知る。 第三章
国風文化
平安時代における文化の変容
国風文化の特質を知る。 第四章
平安仏教
最澄と空海
平安仏教の特質を知る。 第五章
鎌倉仏教
鎌倉仏教の諸相
鎌倉仏教の特質を知る。 第六章
武士の政権と文化
文化の担い手としての武士
武士が担った文化の特質を知る。 第七章
奏式仏教
国民的宗教の成立過程
日本仏教の特質を知る。 第八章
中世から近世へ
近世国家成立の文化史的意義
近世国家成立の意義を知る。 第九章
元禄文化
元禄文化の歴史的意義
元禄文化の史的意義を知る。 第十章
儒学の展開
日本における儒学の特質
儒学の日本的展開について知る。 第十一章
国学の成立
国学の成立過程と民間への普及
国学の史的意義について知る。 第十二章
明治維新と西洋文化
明治維新における西洋化と伝統文化
明治維新の文化史的意義を知る。 第十三・十四章
まとめ 日本文化史についてふりかえる。
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