最終更新日:2024年3月29日

1年次入学生:4年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
心理・福祉学部 社会福祉学科

D059

解剖生理学

体の構造と機能についての基礎知識を学ぶ

単位条件

通信 2単位

教員

宮川 三平

履修条件

なし

到達目標

(1)目的
養護教諭になるため、身体に関する基礎知識を習得することを目的とする。
(2)授業構成と到達目標
①身体を形態・構造の面から探究する解剖学と、機能の面から解明する生理学は、どんな医療分野でも、必須の基礎となる学問である。
② この機能と形態は本来不可分で表裏一体をなし、相関連しあっているので、これらを一緒に学んで、より効率よく生体のメカニズムを十分に理解できるようにする。

学習成果

(1)神経細胞の構造と働き、中枢神経と末梢神経の構造と働きについて理解することができる。
(2)骨と筋肉の構造と働き、代表的な骨格と筋肉について理解することができる。
(3)特殊感覚のメカニズム、歯・皮膚の構造と働き、体温調節のしくみについて理解することができる。
(4)鼻腔・咽頭・喉頭・気管・肺から成る呼吸器官の構造と機能について理解することができる。
(5)消化管と分泌腺に分けられる消化器官の構造と機能について理解することができる。
(6)腎臓の構造と尿生成その他の働きについて理解することができる。
(7)男性生殖器と女性生殖器の構成・構造と働き、ホルモンを分泌する内分泌臓器とホルモンの作用について理解することができる。
(8)心臓と血管の構造と血液循環のしくみ、血液の組成と各成分の働き、免疫システムについて理解することができる。
(9)細胞の構造、遺伝のしくみ、遺伝病について理解することができる。

テキスト教材

浅野伍朗『からだのしくみ事典』(成美堂出版)
『解剖生理学』(聖徳大学通信教育部)

参考図書

増田敦子『改訂・増補版 人体の仕組みを全体的につかんで解剖生理を理解しよう―臓器を覚えるのではなく、全体の係わり合いからヒトの体を考えよう』(医学芸術社)
堺章『新訂 目でみるからだのメカニズム』(医学書院)

評価の要点

・レポート評価の要点:課題の内容に対して、的確にポイントを押さえた上で、指定字数により簡潔に記載されているか(教科書の文章を全面引用は望ましくない)。
・試験評価の要点 :問題に対して、ポイントを押さえた解答になっているか。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価する。
レポート課題に合格した後、科目終了試験を受験し、その評価が60点以上であれば単位の認定となる。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

レポート作成:
課題の内容を十分理解し、教科書のみでは不十分な場合もあるので、上記以外でも必ず他の参考書も参考にして、ポイントを押さえて記述すること。

試験受験:
教科書全範囲からの出題となるので、すべてを網羅して準備して臨むこと。論述形式のため、各ポイント項目について簡潔に説明できるように訓練しておくとよい。出題問題(10問)は同配点となっているため、できるだけ努力してすべての問題に対して解答することを勧める。

レポート課題

提出数 2

第1課題

横書きパソコン印字可
[各800字程度。計1600]

第1設題

2つの設問を選択して答えなさい。(各800字程度、書き始めに選択した番号を明記すること。)
1.神経細胞の構造、神経細胞が「興奮する」とはどういうことか、神経細胞内の興奮の伝導とシナプスにおける興奮の伝達の仕方について、説明しなさい。
2.骨格筋の細胞内構造までを説明した上で、それに基づいて骨格筋の収縮の仕組みについて述べなさい。
3.耳の構造に基づいて、音が聞こえる仕組みについて説明しなさい。
4.呼吸に伴い、肺と細胞(組織)の間で体内を、酸素と二酸化炭素が移動する仕組みについてそれぞれ説明しなさい。

第2課題

横書きパソコン印字可
[各800字程度。計1600]

第1設題

2つの設問を選択して答えなさい。(各800字程度、書き始めに選択した番号を明記すること。)
1.肝臓の構造と働きについて述べなさい。
2.腎臓の構造を踏まえて、尿の生成過程について述べなさい。
3.女性生殖器の構造を踏まえ、その周期的変化について説明しなさい。
4.心臓の構造、心拍動の仕組みとその調節、心筋細胞はどのようにして栄養を得ているのかについて、述べなさい。
5.遺伝子の構造を説明した上で、DNAの情報に基づいてタンパク質が合成されるまでの過程について述べなさい。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
はじめに:
15回の授業の展開、「達成目標」と「学習成果」についての説明から、養護教諭としての力を身につける上での本授業の概要、重要性を認識する。
授業科目の理解
人体の構造:人体の構造を理解する。
(1)すべての生物は細胞からなり、組織、器官をつくる。
(2)細胞は細胞膜、核、細胞質からなり、細胞小器官がある。
人体の構造に関する知識の理解 人体の構造
消化器系:消化器系の構造と働きを理解する。
(1)消化器系は消化管と付属腺からなる。
(2)食物は嚥下によって消化管に入り、消化・吸収後、肛門から排泄される。
消化器系に関する知識の理解 消化器系
循環器系:循環器系の構造と働きを理解する。
(1)心臓には左右の心房・心室があり、刺激伝導系によって拍動が起こる。
(2)血液循環には、体循環と肺循環がある。
循環器系に関する知識の理解 循環器系
腎・尿路系:腎・尿路系の構造と働きを理解する。
(1)腎臓は老廃物の排泄とホメオスタシスの維持に重要である。
(2)腎臓では、レニンやエリスロポエチンがつくられる。
腎・尿路系に関する知識の理解 腎・尿路系
内分泌系:内分泌系の構造と働きを理解する。
(1)ペプチドホルモン、アミンホルモン、ステロイドホルモンがある。
(2)ホルモンは視床下部、下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎から分泌される。
内分泌系に関する知識の理解 内分泌系
神経系:神経系の構造と働きを理解する。
(1)神経系には、体性神経系と自律神経系とがある。
(2)大脳は高度の精神機能を営む。
神経系に関する知識の理解 神経系
呼吸器系:呼吸器系の構造と働きを理解する。
(1)気道は、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支からなる。
(2)呼吸部は、呼吸細気管支、肺胞壁、肺胞からなる。
呼吸器系に関する知識の理解 呼吸器系
血液、造血器、リンパ系:血液、造血器、リンパ系の構造と働きを理解する。
(1)血液は体重の約8%で、血球は骨髄でつくられる。
(2)赤血球は酸素運搬、白血球は生体防御、血小板は止血を行う。
血液やリンパ系に関する知識の理解 血液、造血器、リンパ系
運動器(筋骨格)系:運動器(筋骨格)系の構造と働きを理解する。
(1)骨形成と骨吸収のバランスには性ホルモンが影響する。
(2)筋原線維には、ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントがある。
運動器系に関する知識の理解 運動器(筋骨格)系
生殖系:生殖系の構造と働きを理解する。
(1)男性生殖器は、精巣、精巣上体、精管、精嚢、前立腺からなる。
(2)女性生殖器は、卵巣、卵管、子宮、膣ならなる。
生殖系に関する知識の理解 生殖系
生殖、発生、成長、発達:生殖、発生、成長、発達を理解する。
(1)受精卵から胞胚になると、内・外・中胚葉から組織がつくられる。
(2)成長速度は器官によって異なり、更年期には性腺機能が低下する。
発生や成長に関する知識の理解 生 殖、発 生、成 長、発達
免疫と生体防御:免疫と生体防御を理解する。
(1)体液性免疫は抗体による。
(2)細胞性免疫はT細胞による。
免疫に関する知識の理解 免疫と生体防御
個体の調節機能と恒常性(ホメオスタシス):個体の調節機能と恒常性(ホメオスタシス)を理解する。
(1)外部環境の変化に対し、神経系と内分泌系で反応する。
(2)内部環境のホメオスタシスによって細胞の機能が保たれる。
ホメオスタシスに関する知識の理解 個体の調節機能と恒常性(ホメオスタシス)
まとめ:
主体的な学びによって養護教諭として、どのような知識を習得でき、「学習成果」を達成できたのか、シラバスに則して判断する。
身体の構造と機能に関する知識の理解
試験
テキストの内容に則した出題とする。