最終更新日:2024年3月12日
U108
世代文化論Ⅰ(子どもと文化)
口承文芸の世界単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
口承文芸とは何かを知ることができる。
身の回りの口承文芸について理解を深めることができる。
口承文芸が、子どもの文化へ与えた影響について知ることができる。
子どもの文化について広い視野をもち、子どもの文化の豊かさを守るためにどのような行動が必要か考えることができる。
学習成果
口承文芸研究のための用語を正しく使うことができる。
口承文芸に関する聞き取り調査を行い、記録することができる。
子どもの文化について理解を深めることを通して、豊かな人間性と倫理観を身につけつことができる。
テキスト教材
なし
参考図書
小澤俊夫『昔話入門』ぎょうせい、1997 おざわとしお『日本の昔話(全5巻)』福音館書店、1997 瀬田貞二『幼い子の文学』中央公論社、1980 瀬田貞二『絵本論』福音館書店、1985 瀬田貞二『子どもの本評論集 児童文学論』福音館書店、2009 近藤信子『にほんのわらべうた』福音館書店、2001 稲田浩二ほか『日本昔話事典』弘文堂、縮刷版1994 笠原政雄『雪の世に語りつぐ』福音館書店、2004 鵜野祐介『伝承児童文学と子どものコスモロジー』昭和堂、2009 グリム兄弟『グリム童話集』*岩波文庫ほか
評価の要点
用語が理解できているか。口承文芸の現状と課題が理解できているか。学んだことを社会でどのように生かしたら良いかを考えることができているか。自分の考えをきちんと述べることができているか。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価する。
第1課題:
口承文芸についてまとめられている、聞き取り調査がなされている、必要な文献が読まれている、資料の出典と考察が書かれている、
客観的に書く努力がなされている。
第2課題:
適切な作品が選ばれている、書誌事項が書かれている、必要な調査が行われている、作品の魅力や問題点が書かれている、自分なり
の見解が示されている、客観的に論じる努力がなさてている。
テスト:まとめ
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
口承文芸について調査を行い、以下の手順でレポートにまとめよ。
①「口承文芸」という用語と、そこに含まれる諸ジャンルについて調べてまとめる。
②周囲の人々から口承文芸について聞きとり調査を行い、その内容及び以下の情報をまとめる。
(1.語り手の生年、性別、出身地。2.語り手は、いつ、誰から聞いたのか。3.その口承文芸は、どのジャンルに含まれるのか)
③文献等を参考にし、2で記した口承文芸を次代へ伝える意義についてまとめる。
第2課題
第1設題
昔話を絵本やアニメーションにしたものを1作品選び、以下の4点についてレポートにまとめよ。
①「昔話」という用語と語りの特徴について調べてまとめる。
②昔話を絵本やアニメーションにした作品について、書誌事項(タイトル、再話者、画家、出版社、出版年)等を記す。
③もとになった昔話について調べてまとめる。
④絵本やアニメーション化された作品について、内容や文章表現、絵画表現について検討し、昔話を次代へ伝える作品として相応しいものかどうか自分の考えを述べる。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
「昔話」とは何かを調べる。 | 研究用語、研究範囲の理解 | 参 考:『昔 話 入 門』 『日本昔話事典』 | |
「口承文芸」の範囲について調べる。 | 用語、研究範囲の理解 |
参考:『昔話入門』 | |
「口承文芸」と子どもの関わりについて調べる。 |
口承文芸の意義について考察を深める。 | 参考:『幼い子の文 学』『にほんのわら べうた』『雪の夜に 語りつぐ』 | |
調査の記録をとる。(聞いた内容、いつ聞いたか、語り手は誰か(生年・性別・出身地・誰からその文芸を聞いたか)を記録する) | 口承文芸を記録する | ||
調査の記録から、考察を行う。 口承文芸の諸ジャンルのうち、どのカテゴリーに属するか。 類話を調べたり、先行研究を調べて、まとめる。 | 資料から研究を深める。身の回りの口承文芸の豊かさを実感する。 | ||
口承文芸について、レポートにまとめる。 | 調べたことを、レポートにまとめる。 | ||
日本の昔話を多読し、概要を知る。 | 日本の昔話の理解 | 『日本の昔話』 | |
世界の昔話を多読し、概要を知る。 | 世界の昔話の理解 | 『グリム童話』ほか | |
7-8回を通じて興味を持った昔話について調べる。 | 『日本昔話事典』『グリム童話を読む事典』ほか | ||
7-8回を通じて興味をもった昔話をもとにして作られた絵本やアニメーションを探す。 | 図書検索の技術 | ||
昔話の再話作品の評価方法を学ぶ。 昔話の文法の理解、及び絵について評価する。 | 『昔話入門』『児童文学論』『絵本論』など | ||
昔話絵本(昔話アニメーションほか)の評論の文章を読む。 | 評論の読解、および文章表現方法の習得。 | ||
昔話の再話作品の検討 | 昔話の研究理論の応用 | ||
昔話再話作品の評価を行いレポートにまとめる | |||
まとめ | テストにむけて復習をおこなう | ||
試験 研究用語の理解、昔話の再話作品についての検討と現状の理解、口承文芸を記録し保存することの意義の理解、について問う。 |