最終更新日:2024年2月28日
U211
心理コミュニケーション概論
対人コミュニケーションについて心理学的立場から理解する単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
人は、他者とのコミュニケーションをとりながら日々の社会生活を営んでいます。つまり、人間社会でのコミュニケーションの原点は個人と個人との間で交わされるコミュニケーションにあると言っても過言ではありません。対人コミュニケーションを介して自分の考えを他者に伝え、他者の考えを知ることができます。
また、他者と交渉し他者の意見や行動を変え、時には他者のもつ印象を操作したりすることもあります。
心理コミュニケーション概論では、対人コミュニケーションについて主に社会心理学の立場から基本的な知識を理解し、その代表的なテーマについて考察を深めます。
学習成果
本科目を学び、以下の内容について習得することを目標とします。
1.他者とコミュニケーションをとる際に生じる様々な事象の心理学的理解に興味や関心をもち、特定のテーマについて討論できるようになる。
2.自分自身の対人コミュニケーションの特徴について理解を深め、キャリア形成に役立てるための基礎知識をもつ。
テキスト教材
深田博己著『インターパーソナルコミュニケーション-対人コミュニケーションの心理学-』(北大路書房)1998
参考図書
齋藤勇『イラストレート人間関係の心理学第2版』(誠信書房)2015
渡邊忠・渡辺三枝子『コミュニケーション力 人間関係作りに不可欠な能力』(雇用問題研究会)2011
評価の要点
レポート課題は、字数制限の9割以上を目標にまとめてください。かつ、出題されたテーマをよく理解した上で自分の言葉で簡潔に述べること。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価します。
レポート課題は、出題されたテーマについて考察し、必ず自分の考えや意見を書いてください、その点を重視します。また、テキストだけで
カバーできない部分については参考書を確認したり、自分で他の参考文献に当たり、まとめてください。
科目終了試験では、設問内容に合わせた解答を作るように心がけましょう。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
字数制限を守ること。
テキストや参考文献を引用する場合は、方法・ルールについて確認の上、適切に行ってください。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションについて、それぞれの概要(=特徴、機能、限界など)について比較説明しなさい。そして、それらをとらえた上で「あいさつ行動」における言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの効果について論じなさい。
第2課題
いずれか1設題選択
第1設題
他者を欺くコミュニケーションのうち、悪徳商法(悪質商法)について具体例を挙げて論じなさい。
第2設題
他者を欺くコミュニケーションのうち、マインド・コントロールについて具体例を挙げて論じなさい。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
ガイダンス:コミュニケーションおよび対人コミュニケーションについての心理学的捉え方と特徴を理解する | コミュニケーションの意味・類型・構成要素と対人コミュニケーションの定義・分類・モデル・目的を知る | テキスト P.1-30 | |
対人コミュニケーションの社会心理学:社会心理学としての対人コミュニケーションを理解する | 社会心理学における対人コミュニケーションの位置づけと対人コミュニケーション研究を知る | テキスト P.31-47 | |
言語的コミュニケーション:言語を用いたコミュニケーションを理解し、代表的な研究を学ぶ | 言語的コミュニケーションの概要・特徴と限界と、あいさつ・敬語についての研究を知る | テキスト P.48-62 | |
非言語的コミュニケーション1:言語以外を用いたコミュニケーションを理解する | 非言語的コミュニケーションの概要(種類・特徴・機能など)を知る | テキスト P.63-69 | |
非言語的コミュニケーション2:非言語的コミュニケーションについての代表的な研究を学ぶ | 身体動作・空間行動についての研究を知る | テキスト P.69-81 | |
自己開示1:自分を知らせるコミュニケーションを理解する | 自己開示の概要(定義・次元・領域・機能など)を知る | テキスト P.82-90 | |
自己開示2:代表的な自己開示研究を学ぶ | 自己開示についての研究(規定要因・対人認知への影響・対人関係など)を知る | テキスト P.91-103 | |
自己呈示:自己を演出するコミュニケーションを理解し、代表的な研究を学ぶ | 自己呈示の概要(定義・方略・社会的苦境など)と、防衛的自己呈示・主張的自己呈示についての研究を知る | テキスト P.104-121 | |
説得1:他者の心を動かすコミュニケーションを理解する | 説得の概要(定義・過程・効果など)を知る | テキスト P.122-127 | |
説得2:代表的な説得研究を学ぶ | 説得の効果(送り手の要因・メッセージの要因・受け手の要因)・説得技法・説得理論についての研究を知る | テキスト P.127-144 | |
命令と強制:他者を支配するコミュニケーションを理解し、代表的な研究を学ぶ | 命令への服従・役割の効果・心理的反発の概要と、様々な実験による著名な心理学研究を知る | テキスト P.145-158 | |
欺瞞(ぎまん):他者を欺くコミュニケーションを理解し、代表的な研究を学ぶ | 嘘の概要(定義・類型・特徴・発見の手掛かり)と、悪徳商法・マインドコントロールを理解し、対応方法を知る | テキスト P.159-179 | |
対人交渉:他者と取り引きするコミュニケーションを理解し、代表的な研究を学ぶ | 要請技法・承諾獲得方略・取り引きの概要(種類・特徴・効果など)と、囚人のジレンマ研究を知る | テキスト P.180-196 | |
集団・社会・文化の中の対人コミュニケーションを理解する | 集団内コミュニケーション・うわさ・日本人のコミュニケーション・異文化間コミュニケーションの概要と、代表的な心理学研究を知る | テキスト P.197-218 | |
対人関係の発展・崩壊と対人コミュニケーションを理解する | 対人関係の発展・崩壊とコミュニケーション(理論・ジョハリの窓とコミュニケーションの効果・対人関係を育てる自己開示技法・アサーティブネス)について知る | テキスト P.219-238 | |
試験 以上のテーマの中から選択記述式の科目終了試験を実施します。 |