最終更新日:2024年1月17日
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心理学史
心理学を歴史から理解する単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
現在の心理学は、哲学、生理学、生物学、物理学、情報科学、認知科学などの多くの分野の知見と、その時代精神との間で相互作用しながら発展した学際的学問である。本講義では、多岐にわたる心理学の発展を、歴史的事実を追いながらその成り立ちを理解することを目的とする。心理学に関する他の講義を横糸とするならば、心理学史はそれらを時間的な観点という経糸で整理し直す科目と言える。単に出来事の順序を覚えるのではなく、理論や概念が現在の形になるまでどのような経緯を経たのかを、体系的に理解することが期待される。
学習成果
・心理学史上の代表的な人物について、その主要な学問的主張・業績が説明できるようになる。
・上述の内容が、どのような背景で生み出されたか、その歴史的関係が説明できるようになる。
・さらに、ある理論や概念が、その後の心理学の発展にどのような影響を及ぼしたか、具体的な変遷を説明できるようになる。
・心理学の周辺領域、ならびに心理学以外の周辺分野との関連性を理解し、学問としての広がりを説明できるようになる。
テキスト教材
サトウタツヤ・高砂美樹『流れを読む心理学史―世界と日本の心理学』補訂版(有斐閣アルマ)有斐閣 2022
参考図書
大山正『心理学史―現代心理学の生い立ち(コンパクト新心理学ライブラリ)』(サイエンス社)2010
評価の要点
レポート、科目終了試験ともに、学習成果で述べた内容が適切に表現されているかに重きが置かれる。「心理学史」という科目の性質をふまえ、設題を良く読み適切に答えることが肝要となる。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価する。
レポートでは、必要な字数内で各設題に対する答えがバランスよく述べられているかが重要なポイントの一つである。必要な理論や概念を説明したうえで、単なる箇条書きに留まらず、その変遷を論理的な文章で記述できているかを特に重視する。なお、Web上の情報やテキストの丸写しであると判断される場合、厳粛に対処する。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
心理学がどのように成立したのか、そして現在はどのような形をとっているのかを、これまでの学んだ内容を整理するつもりで学習を進めて欲しい。そのため、参考文献としてこれまでに読んだ教科書をはじめとしたすべての書籍が活用できる。すでに学習した内容を、億劫がらずに再確認することで、学習内容の理解・整理を図って欲しい。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
進化論が心理学に与えた影響を説明せよ。なおレポート執筆にあたり、進化論自体の説明は必要最小限にとどめ、「心理学に与えた影響(心理学が受けた影響)」を主眼とするよう注意すること。
第2課題
第1設題
心理学は「知能」をどのように扱ってきたか。それを測定する方法と問題点も含め、述べよ。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
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心理学史の方法論 | 心理学史を学ぶに当たり、異なる3つの観点を整理する | 序章 | |
心理学前史 | 哲学・生理学・進化論が心理学に及ぼした影響を理解する。 | 第1章 | |
精神物理学とヴントの実験心理学 | 精神物理学が実験心理学を中心にどのような影響を与えたか学習する | 第1章 | |
ドイツにおける学派 | ライプツィヒ学派の考えを理解する | 第1章 | |
アメリカの心理学 | ヨーロッパとアメリカ、それぞれにおける心理学の相違を理解する。 | 第1章 | |
20世紀の心理学(1)−行動主義 | 行動主義の成立とその展開について理解する。 | 第2章 | |
20世紀の心理学(2)−ゲシュタルト心理学 | ゲシュタルト心理学の成立とその影響を理解する。 | 第2章 | |
20世紀の心理学(3)−精神分析 | フロイトの精神分析成立について理解する | 第2章 | |
20世紀の心理学(4)−認知心理学 | 認知心理学の成立と展開について理解する | 第2章 | |
20世紀の心理学(5)−ヒューマニスティック心理学 | ヒューマニスティック心理学成立の背景について理解する。 | 第2章 | |
心理学と社会の関わり | 心理学が周辺領域ならびに社会とどのように関わるのかを概観し、その影響範囲を把握する。 | 第3章 | |
日本の心理学史 | 日本における心理学の発展について日本における心理学の発展について理解する。 | 第4章 | |
心理学史における個人差と知能 | 個人差と心理学がどう取り扱ってきたのか、歴史と現状を把握する。 | 第5章 | |
心理学史の現状と展望 | 心理学史の現状と展望を概観する。 | 終章 | |
まとめ | これまでの内容を振り返り、特に時系列的観点から学習内容の整理を行う。 | ||
試験 |