最終更新日:2024年2月26日
C070
社会Ⅱ
十五年戦争史単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
最近日本近現代史の分野でも、従来の研究動向とは問題意識を異にする新たな研究状況が展開してきています。そのなかには「歴史学」の立場を標榜しながらも、明らかにデマゴギーにすぎないシロモノもあります。そうした潮流をも視野におきながら、事実を事実として確定する歴史的な眼を養います。
学習成果
具体的には、十五年戦争期の軍事史的展開を対象としながら、現在わたしたちが常識として思いこんでいる歴史認識の再検討に迫りたいと考えています。
1.「十五年戦争」を考える
2.柳条湖事件と満州事変
3.華北分離工作の展開過程
4.盧溝橋事件と日中全面戦争への突入
5.南京大虐殺事件
6.中国戦線の拡大と汪兆銘工作の意義
7.対米英開戦の経緯と戦局の推移
8.沖縄戦の実情と敗戦
テキスト教材
『歴史学入門』(聖徳大学通信教育部)
笠原十九司著『日中戦争全史』上巻(高文研)
参考図書
『十五年戦争小史<新版>』(青木書房)
笠原十九司著『日中戦争全史』下巻(高文研)
評価の要点
・レポートについては、課題について、テキストを踏まえて論理的に展開されているかで評価します。できるだけ参考文献にあたりながら主体的に取組む姿勢のうかがえるレポートを積極的に評価したいと思っています。
・科目終了試験は、論述式の問題ですが、テキストや学習指導書に沿った出題となっていますので、その内容をしっかり把握・理解しているかを評価します。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価します。
レポート課題に合格した後、科目終了試験を受験し、その評価が60点以上であれば単位の認定となります。
レポート課題
提出数 2第1課題
レポート提出につきましては、各1課題ずつ別々のレポート用紙に分けて提出をして下さい。
いずれか1設題を選択
第1設題
「十五年戦争」はいつからいつまでをいうか。「十五年戦争」の呼称を用いることの積極的意義とはなにか。また「十五年戦争」の呼称を用いることの問題点について論述しなさい。
第2設題
「満蒙」問題を形成する発端となった条約とはなにか。その条約を踏まえて、条約中「満蒙」権益に関わる部分の内容を抜き出し要約しなさい。また「満蒙」が日本の侵略にとって有していた意義について論述しなさい。
第3設題
日本軍の中国東北地方における軍事行動が、短期間のうちに急速に拡大しえたのは、どのような理由によるのであろうか。中国側や欧米列強の動向といった国際的条件だけではなく、日本国内の状況にも目を配りながら論述しなさい。
第4設題
「満州国」の実態は、日本の傀儡国家であったが、その傀儡性はどのような点に求めることができるか。「独立」に至る経緯を概説し、傀儡性について具体的に論述しなさい。
第5設題
日本側が「華北分離工作」を行なった政治的・軍事的意図を踏まえて、「分離工作」の展開過程について論述せよ。
第2課題
レポート提出につきましては、各1課題ずつ別々のレポート用紙に分けて提出をして下さい。
いずれか1設題を選択
第1設題
盧溝橋事件の経緯について概観し、同事件の意義について、事件が起きるに至った時代的背景に関連させて論述しなさい。
第2設題
「南京大虐殺事件」は偶発的なものではなく、日本軍の構造的特質がその発生を不可避なものとしたと考えられるが、その構造的特質とは如何なるものか論述しなさい。
第3設題
南京陥落以後汪兆銘政権樹立に至る日本側の対応を戦争長期化への不可避性に留意しつつ、軍事作戦の展開と親日政権樹立工作の両面から概説しなさい。
第4設題
対米英開戦が不可避となる経緯について、日米交渉の展開過程に留意しつつ論述しなさい。その際、天皇の対応についても考慮に入れること。
第5設題
アジア・太平洋戦争の戦局を4段階に分けて、それぞれの段階の特色を踏まえて、その実情を整理し、論述しなさい。
第6設題
沖縄戦の具体的な過程を整理して、その地上戦としての特殊性を検討するとともに、沖縄戦の軍事的・政治的意義を検討し、論述しなさい。